ワイシャツの襟に見える黄ばみや黒ずみに、不快感を持つ人も多いのではないでしょうか。
襟の汚れは普段洗濯していても、付いてしまうことがあります。
そのため、ただ洗濯するのではなく、汚れの落とし方も知っておきたいところです。
そこで本記事では、ワイシャツの襟に付く黄ばみや黒ずみの原因を始め、汚れの落とし方を徹底的に解説いたします。
簡単な汚れから頑固な汚れを落とすやり方まで細かくまとめましたので、参考に読んでみてください。
ワイシャツの襟が汚い!黄ばみや黒ずみの原因とは?
ワイシャツの襟に見られる汚れといえば、黄ばみや黒ずみが挙げられます。
これらは、どのようにして発生してしまうのでしょうか?
黄ばみと黒ずみで、それぞれ原因をまとめました。
黄ばみの原因
黄ばみとは、皮脂の汚れが蓄積されて酸化することで生まれるものです。
ワイシャツの襟回りは、首や肩と擦り合うことが多く、その際に皮脂が染み付きます。
そして、紫外線や空気に触れることで酸化が起きます。
中でも汗をかきやすい人は、皮脂の分泌が盛んなので黄ばみやすいです。
また、洗濯の際に「お急ぎコースでの洗濯」、「中性洗剤の使用(洗浄力が弱め)」、「洗剤の使用量の不足」などといった要因で洗いが不足していると、汚れは落ちません。
黒ずみの原因
黒ずみとは、黄ばみの要因に加えて、ほこりやゴミが付着することで発生する汚れです。
そのため、黄ばみ以上に厄介な汚れを意味します。
黄ばみよりも落ちにくいので、強力な洗浄力を誇る成分を使う必要があります。
準備必須!ワイシャツの黄ばみ・黒ずみを落とすときに用意するもの
早速ワイシャツの襟汚れを落としたいところですが、事前にいくつか準備するものがあります。
食器用洗剤 ※クレンジングオイル、シェービングクリームも可
ワイシャツの襟汚れを落とすときに活躍するのが食器用洗剤です。
汚れの原因でもお話した通り、黄ばみや黒ずみの元は皮脂の汚れから来ています。
「皮脂の汚れ=脂汚れ」なので、食器用洗剤が活躍します。
また、同じ理屈として、クレンジングオイルやシェービングクリームで落とすことも可能です。
クエン酸
クエン酸は、グレープフルーツやレモンなどの柑橘類に含まれる成分です。
汚れを落とす力が強く、掃除の際にも活用されます。
食器用洗剤で落とせなかったときの代替え案として挙げられます。
後述する襟汚れの落とし方で、クエン酸を使ったやり方に興味を示された場合は用意しましょう。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは、アルカリ剤の1種で強力な洗浄力を誇ります。
クエン酸に続いて、食器用洗剤で落とせなかったときの代替え案として挙げられます。
セスキ炭酸ソーダを使ったやり方に興味を示された場合は用意しておきましょう。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は、過酸化ナトリウムからできた漂白剤の一種です。
重曹と組み合わせることで、クエン酸やセスキ炭酸ソーダ以上の洗浄力を誇ります。
クエン酸とセスキ炭酸ソーダと同じく、食器用洗剤で落とせなかったときの代替え案として挙げられます。
酸素系漂白剤を使ったやり方に興味を示された場合は用意しておきましょう。
ただ、洗浄力が強力な分、色落ちもしやすいです。
酸素系漂白剤を使用する場合は、白無地のもの限定としてください。
重曹
重曹は、弱いアルカリ性の成分です。炭酸ナトリウムとも言われています。
上記の3つと同様、食器用洗剤で落とせなかったときに使用しますが、クエン酸や酸素系漂白剤とのセットで使います。
洗面器
洗面器は、ワイシャツを濡らすときに必要です。
ただ、汚れを落とす部分さえ浸けられればいいので、そんなに大きいものじゃなくても大丈夫です。
また、本記事では襟汚れの落とし方をいくつか紹介しますが、やり方次第では不要な場合もあります。
30℃~40℃のぬるま湯
襟汚れを落とすときは、30℃~40℃程度のぬるま湯を用意しましょう。
ぬるま湯が良い理由は、冷たい水や熱いお湯よりも汚れが落ちやすいからです。
というのも、汚れの落ち度は溶解度によって左右されます。
溶解度とは、水の温度に対して固体が溶ける量のことです。
温度が高ければ高くなるほど、溶けやすくなります。
これを聞くと、「ぬるま湯よりも熱い湯のほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、熱くしすぎれば良いという訳ではありません。
温度が高くなりすぎると、今度は逆にたんぱく質が変化して固体が固くなります。
そのため、汚れを効率よく落とすのであれば、ぬるま湯がベストなのです。
水
スプレーで汚れを落とす場合、スプレー作りで必要となります。
柔らかめの歯ブラシ
汚れを落とすときに使用します。
固い歯ブラシだと衣類を傷付けてしまう可能性があるので、柔らかめの歯ブラシにしましょう。
小さい容器
小さい容器は、セスキ炭酸ソーダやクエン酸のスプレーを作るときや、酸素系漂白剤と重曹を溶かすときに使用します。
スプーン
スプレーを作るときや洗剤同士を混ぜ合わせるとき、衣類に塗るときに使用します。
スプレー容器
「セスキ炭酸ソーダ」、「クエン酸&重曹」で汚れを落とすときに使用します。
スプレー容器は、100均に売っているもので大丈夫です。
スチームアイロン
酸素系漂白剤と重曹の組み合わせで、汚れを落とすときに使用します。
アイロンを直接当てると生地の劣化や変質に繋がるので、スチームタイプのものを使用しましょう。
ゴム手袋
手荒れ対策に使います。襟汚れを落とす際は、ゴム手袋を着用しましょう。
黄ばみ・黒ずみとさよなら!ワイシャツの襟汚れの落とし方(食器用洗剤編)
普段洗濯していても、洗いやすすぎ不足があると襟の汚れは中々消えてくれません。
そのため、個別に汚れを落とす必要があります。
本段落では、ワイシャツの襟汚れを落とすためのやり方をまとめました。
なお、食器用洗剤(クレンジングオイル、シェービングクリームも可)で落とす際は、以下のものを用意します。
- 食器用洗剤
- 洗面器
- ぬるま湯
- 柔らかめの歯ブラシ
- ゴム手袋
①洗面器にぬるま湯を入れる
まずは洗面器にぬるま湯を入れます。
「用意するもの」の段落でも解説した通り、ぬるま湯の温度は30℃~40℃がおすすめです。
②襟の汚れている部分をお湯に浸ける
次にワイシャツの汚れている部分をお湯に浸けます。
③汚れている部分に食器用洗剤を塗る
ワイシャツを濡らしたら、汚れている部分に食器用洗剤を塗ります。
洗剤を塗る際は、手荒れが起きる可能性があるので、ゴム手袋を付けておくことをおすすめします。
④優しくもみ洗い、歯ブラシでこする
洗剤を塗ったら、優しくもみ洗いしましょう。
はたまた歯ブラシでこすって落とすのもありです。
ただ、もみ洗いでも歯ブラシにも言えることですが、強くやりすぎると生地が傷みやすくなります。
そのため、優しくやることを忘れないでくださいね。
後ほど紹介する別のやり方においても言えることです。
⑤すすいで洗濯する
襟に付いた黄ばみや黒ずみを落とすことができましたら、水でしっかりとすすぎましょう。
一連の作業が完了したら、最後に普段通りの洗濯を行います。
黄ばみや黒ずみが落ちない?ワイシャツの襟汚れの落とし方(頑固な汚れ編)
汚れが繊維の奥深くまで染み付いていると、食器用洗剤で試しても落ちないことがあります。
本段落では、頑固な汚れに対して効果を発揮しやすい3つの方法をご紹介いたします。
- セスキ炭酸ソーダ
- クエン酸と重曹
- 酸素系漂白剤と重曹
セスキ炭酸ソーダ
最初にセスキ炭酸ソーダを使ったやり方を解説します。
- セスキ炭酸ソーダ
- 洗面器(洗面器以外でもOK)
- 水(500ml)
- スプーン
- ゴム手袋
- スプレー容器
①セスキ炭酸ソーダのスプレーを作る
セスキ炭酸ソーダはスプレーとして使うので、まずはスプレー作りから行います。
作り方は至って簡単!
洗面器に500ml程の水を入れ、小さじ一杯のセスキ炭酸ソーダと混ぜるだけです。
混ぜ終えたらスプレー容器に移します。
②スプレーを汚れの部分に吹きかける
完成したスプレーを汚れの部分に吹きかけます。
直接吹きかけて20分~30程度置いておきます。
③優しくもみ洗いする
時間が経ちましたら、優しくもみ洗いします。
④洗濯する
もみ洗いが完了したら、すすいでいつも通り洗濯しましょう。
クエン酸と重曹
次に紹介するのは、クエン酸と重曹を使ったやり方です。
- クエン酸
- 重曹
- 洗面器
- スプーン
- 小さい容器
- スプレー容器
- ゴム手袋
- 水(250mlと100ml)
①重曹ペーストを作る
先に重曹ペーストから作ります。
小さい容器に250mlの水を入れ、小さじ一杯の重曹と混ぜ合わせます。
②重曹ペーストを塗る
重曹ペーストが完成したら、スプーンを使って襟汚れの部分に塗っていきます。
③クエン酸スプレーを作る
重曹ペーストを塗ったら、その間にクエン酸スプレーを作りましょう。
クエン酸スプレーは、水100mlと小さじ1/2のクエン酸を混ぜ合わせます。
完成したらスプレー容器に移しましょう。
④クエン酸スプレーを吹きかける
完成したクエン酸スプレーを重曹ペーストした上に吹きかけます。
すると、中和反応が起きてシュワシュワと発泡します。
発泡が起きたら10分~20分程度置きましょう。
⑤優しくもみ洗いする
時間が経ちましたら、簡単にもみ洗いしましょう。
⑥洗濯する
ペーストおよび吹きかけた部分を水ですすいだら、最後に洗濯します。
酸素系漂白剤と重曹
最後に酸素系漂白剤と重曹を使ったやり方を紹介します。
ただ、先ほども話した通り、こちらは洗浄力が強いので色落ちもしやすいです。
そのため、白い無地のワイシャツ限定で行うようにしてください。
- 酸素系漂白剤
- 重曹
- 洗面器(洗面器以外でもOK)
- 30℃~40℃のぬるま湯
- ゴム手袋
- 歯ブラシ
- スチームアイロン
- スプーン
①洗面器にぬるま湯を入れる
洗面器に適量のぬるま湯(30℃~40℃)を入れましょう。※量は少なめで大丈夫です。
②酸素系漂白剤と重曹を混ぜる
ぬるま湯を用意したら、その中に酸素系漂白剤と重曹をそれぞれ大さじ一杯入れて混ぜます。
③溶かした液体を汚れている部分に塗る
混ぜ合わせたら、汚れている部分に歯ブラシで塗ります。
力を入れすぎると生地が傷むので、優しく行いましょう。
また、歯ブラシでやるとはいえ、液体が素手に付着する可能性があるので、ゴム手袋を着用して塗ってください。
④スチームアイロンを当てる
塗り終えたら、次に塗った部分の上からアイロンのスチームを当てていきます。
アイロンを直接当てると、生地が傷んでしまいます。
⑤軽くすすいで洗濯を行う
こちらも同様、最後は軽くすすいで洗濯を行います。
ワイシャツの襟汚れを落とすときの注意点
ワイシャツの襟汚れを落とす際、事前に洗濯表示タグをチェックしておきましょう。
なぜなら、ワイシャツの素材によっては、自宅で洗えないものもあるからです。
例えば、シルクやレーヨン、ポリエステルなどが該当します。
これらの素材にも関わらず、自分で汚れを落とそうとすると、生地が傷んだり縮んだりする恐れがあります。
該当素材のワイシャツをお持ちの場合は、自分ではやらずに、クリーニング店に依頼しましょう。
襟汚れがどうしても落ちないときの対処法
先ほど話した素材による都合や、汚れが頑固すぎるという理由から、自宅で襟汚れを落とせない人も多いのではないでしょうか。
自分でどうしても落とせない場合は、クリーニング店に依頼するのが手っ取り早いです。
クリーニング店であれば、プロの技師が専門の機械を用いて汚れ落としを行ってくれます。
ワイシャツのクリーニング料金は、1着につき200円~300円が相場です。
これを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、頑固な汚れをこの料金で落としてくれると思えば、依頼する価値は十分にあります。
また、クリーニングはアイロンがけもセットで行ってくれるので、新品同様に戻ってきます。
こうしたことも考慮すると、お得と言えるのではないでしょうか。
ワイシャツの襟汚れを防止する6つの方法
ここまでは襟汚れの原因と落とし方を解説してきましたが、もちろん襟汚れを防止する方法もあります。
本段落では、襟汚れを防止する6つの方法を解説していきます。
なるべく早めに洗濯する
ワイシャツに付いた皮脂は、時間が経つほど繊維に染み込みます。
繊維に染み込むほど汚れは落ちにくくなるので、脱いだ後はなるべく早めに洗濯しましょう。
ベビーパウダーを使う
ベビーパウダーは、主に乳幼児のあせもやただれ防止に使われますが、ワイシャツの襟汚れ対策でも活躍します。
ベビーパウダーを使うことで、汗や皮脂を吸収し、ワイシャツの繊維に染み込むのを阻止してくれます。
また、水に溶けやすいので、洗濯すれば汚れと一緒に落ちるのもポイントです。
洗濯のりを使う
ワイシャツのアイロンがけでお馴染みの洗濯のりも、汚れ防止に活躍します。
のりを襟部分につけておくことで、繊維がコーティングされて皮脂の侵入を遮断してくれます。
ただし、コーティングが強力な分、使いすぎると襟部分が固まる場合があります。
洗濯のりを使う際は、ご自身で上手く調整しながら塗りましょう。
専用のテープを貼り付ける
衣装の汚れ防止を目的とした専用のテープがあるのをご存知でしょうか?
汚れを防止したい部分にテープを貼り付けておけば、汚れが付きにくくなります。
また、テープは基本的に無色透明なので、首回りであれば早々にバレません。
収納場所を定期的に換気する
ワイシャツの汚れの原因は、着ているときに限りません。
収納場所(主にクローゼット)を閉めたままの状態が続くと、湿気が溜まってカビや雑菌が付着しやすくなります。
数日に1回1時間の頻度で構わないので、換気を行いましょう。
細かいことかもしれませんが、地道な行動が大きな対策に繋がります。
首回りを綺麗にする
ワイシャツの襟汚れは、元をたどれば首とワイシャツがすり合うのが原因です。
汗をかいたときはもちろん、汗をかいていないときでも定期的にハンカチや濡れタオルで拭いてあげましょう。
まとめ
襟部分とはいえ、黄ばみや黒ずみがあると人からの印象は悪くなります。
こうした事態を避けるためにも、本記事でお話した方法を参考に襟汚れの黄ばみや黒ずみを落としましょう。
やり方もそんなに難しくはないので、ぜひとも実践いただければ幸いです。
ただ、頑固な汚れや洗濯不可の素材など、自分では汚れを落とせないこともあります。
そうしたときは、クリーニング店に依頼するとよいでしょう。