毎年多くの人を悩ます花粉。
平成28年度に東京都が調査した結果によると、都内のスギ花粉症の推定有病率は「48.8%」という数値が発表されています。
参照元:東京都健康安全研究センター
花粉の飛散量は地域ごとに異なるので、全国各地で見ると割合は変わってくるかもしれません。
しかし、全国地域を踏まえても数が多いことに変わりはないでしょう。
そんな花粉ですが、お出かけ時の対策だけではなく、洗濯物を外に干すときの対策も必要不可欠となります。
なぜなら、あなたの花粉症の原因が洗濯物に関係している可能性が高いからです。
当ページでは「洗濯物を外に干すときの花粉対策が必須の理由」、「外に干すときの花粉対策法」、「洗濯物を部屋に取り込んだ後の対処法」とまとめました。
洗濯物を外に干すときの花粉対策が必須の理由とは?
花粉というのは、目に見えないこともあって対策を怠りがちです。
しかし、実際は数えきれないほど大量の粒が飛散しております。
その証拠として、以下の画像をご覧になってみてください。

出典元:花王
こちらは、日用品で有名な大手メーカーの花王が行った「コートへの付着量と残留量」の調査結果です。
約2時間外にいただけで、3万近くの花粉が付着していることが分かります。
これをそのまま家の中に持ち込んだら・・と考えると恐ろしいですよね。
また、家の中に花粉が入ってしまうと、後処理が大変です。
だからこそ、洗濯物を外に干すときは花粉対策が必須となってきます。
洗濯物を外に干すときの花粉対策法6選!
「花粉が嫌なら部屋干しにすればよいのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、部屋干しよりも外干しのほうが日光の影響を直接受けられるので、服も乾きやすいです。
天候が良い日は、なるべく外に干したいのが本音ではないでしょうか?
実際、給湯機器や空調機器などで有名なリンナイが行った調査によると、花粉症の人の内8割以上が「天気の良い日は外干し」と回答しております。
参照元:リンナイ
こうした事を踏まえると部屋干しよりも、外に干すことを前提に対策法を考えていかなければなりません。
6つの対策法をまとめましたので、見てまいりましょう。
花粉を寄せ付けない?柔軟剤を使う
柔軟剤といえば、衣類を柔らかくしたり、いい匂いにしたりするイメージが強いでしょう。
しかし、柔軟剤には静電気を防ぐ効果も備わっています。
というのも、花粉は衣類同士の静電気によって引き付けられます。
静電気を無くすことで花粉をつきにくくするので、柔軟剤は効果的です。
柔軟剤以外にも!花粉カットスプレー
花粉カットスプレーは、その名の通り花粉対策のために作られたアイテムです。
スプレーに含まれる成分の中には、花粉のアレルゲンを減少する効果があると言われています。
洗濯物を干すときは、花粉カットスプレーを使ってみるとよいでしょう。
また、洗濯物を干すときに限らず、お出かけ時に衣類やマスクに使うことで外出時の花粉対策にも繋がります。
洗濯物を取り入れる前に振り払う!花粉対策以外にもメリットあり!
少し手間ではありますが、洗濯物を取り入れるときに振り払うだけでも花粉の付着率は変わってきます。

出典元:花王
花王が行った調査によると、洗濯物を払うことで「タオル46%減」、「Tシャツ65%減」、「布団57%減」と半分近くも減ることが分かっております。
先ほど紹介した柔軟剤や花粉カットスプレーの効果も踏まえると、より大きな効果が見込めるでしょう。
ですので、衣類を部屋に取り込む際は、しっかりと振り払ってあげましょう。
振り払うときのポイント
振り払うとはいっても、パタパタ叩いたり衣類を思い切り上下に揺らしたりするのはNGです。
こういった方法で振り払ってしまうと、花粉が思い切り飛散して顔の中に入ってしまう恐れがあります。
衣類を振り払う際は、上から下に落とすように優しく振り払ってあげましょう。
手で振り払うのもいいですが、手に花粉をつけたくない人は、洋服ブラシを使って払うのでも大丈夫です。
洗濯物カバーを使う
洗濯物カバーは、外で洗濯物を干すときに雨や日差し、ホコリなどを除けるために使われるアイテムです。
詳しくは以下の画像をご覧ください。

出典元:Amazon
また、画像からだと少し分かりづらいかもしれませんが、カバーのほとんどは水蒸気を逃しやすいように通気性対策も施してあります。
そのため、カバーを付けていていも服が乾きやすいのです。
値段も2,000円~4,000円とそんなに高くはなく、手軽に手に入るのがポイントです。
ただ、外干しする以上、ある程度の花粉は付着してしまいます。
同時にカバーにも付着してしまうので、洗濯物を取り込む際には、カバーのお手入れも忘れないようにしましょう。
少し手間は増えますが、花粉対策以外の効果を踏まえると、持っておいて損はないです。
花粉が弱い時間帯に干す
花粉は常に激しく舞っているわけではなく、弱い時間帯もあります。
花粉が落ち着いているのは、早朝や夜間の時間帯です。
逆に花粉が強い時間帯は、昼前後(11時~14時頃)、日没前後(17時~19時)とされております。
花粉の付着を少しでも避けたい場合は、早朝に干して昼近くに取り込んでしまうのがベストです。
また、1日中家を空けてしまうという人は、ピーク後の夜間(20時以降)に取り込むと良いでしょう。
ただし、夜遅くまで出していると、今度は逆に服が冷えたり湿ったりしてしまいます。※寒い時期だとなおさら。
夜に取り込む場合は、部屋干しや乾燥機などで乾かすようにしましょう。
時間を節約!乾燥機に少しかけてから外に干す
先ほどお話した通り、花粉が飛散する時間にはピークがあります。
ピークの時間が来るまでに乾かしてしまいたい人は、乾燥機に少しかけてから干すとよいでしょう。
乾燥機で乾かしておくことで、外干しでの乾きが早くなります。
花粉が酷い天気・気候の日は部屋干しにするのも1つの方法
ここまでは、外干しすることを前提に対策法をまとめました。
しかし、花粉シーズンの中でも、天気や気候次第では余計に酷くなる日があります。
今から解説する条件に当てはまる日は、いっそう気を付けるようにしましょう。
また、外干しは止めて部屋干しにしたほうがよいかもしれません。
湿度が低くて乾燥している
湿度が高いと花粉はあまり飛散しなくなりますが、反対に湿度が低くて乾燥すると飛散しやすくなります。
花粉シーズンで極端に湿度が低い日は、花粉が付着しやすのでご注意ください。
雨が止んだ日の翌日
雨の日は湿度が高いため、あまり花粉が飛散しません。
しかし、雨の日の分の花粉は、次の日に持ち越されます。
雨の日の翌日が晴れや曇りだと、雨の日の分も花粉が飛散して洗濯物に付着しやすくなります。
風が強い
風が強い日は花粉が流されやすいため、洗濯物にも付着しやすいです。
風が強いと乾きやすい一方、花粉のリスクがあることも頭に入れておきましょう。
その他
他にも「晴天の日」や「気温の高い日」が挙げられますが、これらは外干しする上で避けては通れない条件なので割愛します。
洗濯物を取り込んだ後の花粉対策法4選
外干しする際に対策を行うだけで花粉の付着率は大きく減らせますが、どうしても0にはできません。
少なからず花粉が家の中に入ってしまうのは避けられないでしょう。
外干し時の対処法はもちろん、洗濯物を取り込んだ後の花粉対策も抑えておく必要があります。
花粉キャッチカーテンをつける
カーテンの中には、花粉を吸着する効果を持つ花粉キャッチカーテンというものがあります。
カーテンに施してある特殊な加工で花粉を吸着し、部屋の中への侵入を防ぎます。
吸着効果は、洗濯後も持続するものがほとんどなので、長期に渡って使用できます。
部屋の中を掃除する
普段行う部屋掃除にも、花粉を除去する効果があります。
なぜなら、部屋に侵入した花粉は最終的に、床に落ちるからです。
花粉が落ちている状態で歩いたりすると宙に舞ってしまい、吸い込んでしまうことになります。
掃除を行うときのポイント
掃除を行うときは、まず拭き掃除から行うようにしましょう。
いきなり掃除機で行ってしまうと、掃除機を動かしたときの勢いで花粉が宙に舞ってしまいます。
そのため、濡れぞうきんなどの吹き掃除で花粉を拭き取っておく必要があります。
拭き掃除を行っておけば、掃除機をかけても花粉が舞うのを避けられます。
家具などの掃除も忘れないように
部屋に入り込んだ花粉は床に落ちるだけではなく、室内にある家具などにも付着します。
花粉が酷い時期は、家具などのアイテムも念入りに掃除しておきましょう。
空気清浄機を使う
空気清浄機には、フィルターが花粉をキャッチする効果があります。
ただ、空気清浄機が吸収する花粉は、空気中を浮遊しているものに限ります。
ベランダの近くに置くか、洗濯物を取り込む時点で稼働させておくなど、工夫して使う必要があります。
夏や冬に!エアコンに花粉吸着用のフィルターをつける
エアコンは空気を排出する一方、周囲の空気を吸い込む役割もあります。
空気を吸い込むという特性を活かし、花粉吸着用のフィルターを付けてあげれば、宙に舞った花粉を吸収してくれます。
フィルターは500円~1,000円と安価なものもあれば、3,000円前後のものもあります。
値段が高いものほど質は高いかもしれませんが、最初はお試しで安いのを選ぶのもよいでしょう。
まとめ
花粉はイネやスギなど、様々な植物から飛散します。
そのため、年中を通して私達の生活に関わってくるでしょう。
しかし、対策をきちんと行うことで被害を最小限に抑えられ、花粉症の予防に繋がります。
ですので、お出かけするときはもちろんですが、洗濯物を取り込む際も花粉対策を怠らないようにしましょう。