洗濯物を干すときといえば、天日干しを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
しかし、必ずしも直射日光に当てるだけが全てではありません。
デリケートな生地や色柄物などを干すときなど、状況によってはデメリットとなる場合があります。
天日干しが難しい場合、活躍するのが陰干しです。
そこで本記事では、陰干しについて詳しく解説いたします。
やり方から効果の出る乾かし方、使えるアイテムまで徹底的にまとめました。
陰干しとは?
陰干しとは、その名の通り日陰で干すことです。
日陰であれば、屋外・室内は問いません。
逆に室内でも、直射日光が当たれば天日干しとなってしまいます。
陰干しのメリット
陰干し最大のメリットは、直射日光の影響を受けないことです。
直射日光に含まれるエネルギーには、化学変化をもたらすことがあります。
長時間浴び続けると、生地が傷んだり色が落ちたりします。
しかし、直射日光に当たりさえしなければ、生地が傷むリスクを避けられます。
天然繊維を始め、デリケートな生地の衣類を干しやすいのがメリットです。
陰干しのデメリット
陰干しのデメリットは、乾きにくさや臭いの残りやすさが挙げられます。
太陽の光を避けるということは、熱を避けることを意味します。
熱が行き渡らない分、乾くスピードに差が出てしまうのです。
また、服が長時間濡れると、その間に雑菌が繁殖します。
室内は湿気の溜まりやすさも相まって、臭いが残りやすいのです。
陰干しのやり方は?
陰干しと聞いたら、「日の当たらないところに干せばいいだけでは?」と思いがちですが、やり方にコツがあります。
具体的なやり方を解説していきます。
日陰に干す!※日陰がない場合の対処法も
大前提として必ず日陰に干しましょう。
日陰に干して、陰干しは成り立ちます。
もし、日陰がない場合は、洗濯物の上にバスタオルや大きな布をかけたり、日よけシートなどの便利なアイテムを活用したりすることで影が作れます。
あるいは浴室で干すのも1つの方法です。
時間帯を考慮する
日陰に干していても、紫外線を完全にカットできるわけではありません。
そのため、1日の中で日光が高い時間は避けたほうがいいでしょう。
季節ごとにおすすめの時間は、下記の通りです。
- 春夏:早朝~10時前後、17時~夜間 ※春夏は突然の雨が多いので要注意!
- 秋冬:早朝~11時前後、16時~夜間
また、日陰に干していても、時間が変わることで日光に当たることがあります。
太陽の動きも視野に入れた上で干すようにしましょう。
服を裏返しにする
服を裏返しておくことで、毛羽立ちを抑えることができます。
洗濯する前からやっておくといいでしょう。
陰干しでも要注意?干し方を確認する
陰干しだからと、何でもかんでもハンガーにかけて干してはいませんか?
しかし、衣類によってはハンガーと相性の悪いケースもあります。
なぜなら、ハンガーにかけたときの重力で衣類が伸びてしまうからです。
そうした衣類は吊り干しではなく、平干しで行いましょう。
平干しすべきかの判断は、洗濯表示タグから確認できます。
洗濯表示タグとは、衣類を洗濯したり干したりするときの扱い方法を示したタグのことです。
タグがあることで「この衣類は水洗いしてもいい」、「乾燥機を使ってはいけない」などの細かい指定が一瞬で分かります。
平干しを指定するタグは、以下の通りです。


記号の真ん中に、一本線と二本線が引いてあるのが特徴です。
また、左上の斜線は陰干し指定を指します。
左上の斜線がない場合は、天日干しでも大丈夫です。
陰干しで効果を出したい!効率よく乾かす方法8選!
陰干しは乾きにくい欠点がありますが、やり方を工夫するだけで乾きを早くすることができます。
本段落では、8つの方法をまとめました。
風通しのいい場所に干す
風通しが良いと乾きが良くなって、臭いも残りにくくなります。
外に干す場合は風通しのいい日陰、室内に干す場合は扇風機やエアコンなどの道具を使って風通しを良くしてあげましょう。
衣類と衣類の間を空ける
衣類と衣類の間隔が狭いと、風の通りが悪くなって乾きにくくなります。
衣類と衣類の間隔は、最低でも10cmは空けるようにしましょう。
洗濯物が多いときは、分けて洗濯するのも1つの方法です。
脱水をしっかりと行う
脱水をしっかり行うことで、水分が減って乾きが早くなります。
早く乾かしたい方は、洗濯機の脱水時間を長めに設定したり、乾いたバスタオルで水分を吸収したりして脱水をしましょう。
はたまた脱水機能と乾いたバスタオルの両方を組み合わせるのも、1つの方法です。
乾いたバスタオルを入れることで、脱水時に水分を吸収してくれます。
ただ、洗濯機の脱水は勢いよく行われるため、デリケートな生地には負荷がかかってしまう場合があります。
デリケートな生地には、洗濯機の脱水機能はおすすめしません。
エアコンや扇風機を使う
先ほども軽く触れましたが、エアコンや扇風機などのアイテムを活用するのも1つの方法です。
風通りが良くなって乾きやすくなります。
除湿器で空気中の湿気を取り除く
風通しを良くすることも大事ですが、室内に湿気が溜まっているとジメジメして乾きにくいです。
除湿器などのアイテムを活用して、湿気も取り除いてあげるといいでしょう。
特に風通しを良くできない状態にあるときは、湿気を取り除くだけでも効果的です。
乾きにくい衣類は端に干す
衣類が内側にあると、風通しが悪くなって乾きにくくなります。
陰干しそのものが乾きにくいため、パーカーなどの生地が厚い衣類は外側に干すことをおすすめします。
新聞紙を下に敷く
裏技として挙げられるのが、洗濯物の下に新聞紙を敷くことです。
新聞紙に使われる紙は、表面がデコボコしている関係で水分の吸収率が高く、湿気も吸い取ってくれます。
新聞紙が知らない間に、湿気っていたという経験をされた人も多いのではないでしょうか?
ですので、洗濯物の下に新聞紙を敷くことで乾きやすくなります。
衣類を広げて干す
ズボンやパンツ、スカートなど、広げられる衣類はなるべく広げるようにしましょう。
なぜなら、衣類を広げることで、風通しが良くなって乾きやすくなるからです。
ピンチハンガーに付いている複数の洗濯バサミで衣類を筒状に挟むことで、風通しが良くなります。
洗濯物が少ないときやスペースに余裕があるときは、筒状に干す方法を実践してみてください。
便利!陰干しに役立つアイテム6選!
陰干しを行う際に、役立つアイテムをいくつか紹介いたします。
部屋干し用洗剤
洗剤の中には、部屋干し用のタイプもあります。
陰干しを想定して作られている製品なので、臭いに対応できる抗菌成分が含まれていることが多いです。
陰干しを行う際は、こちらの洗剤を用いるといいでしょう。
平干しネット
「陰干しのやり方」でも解説しましたが、衣類の中にはハンガーNGで平干し指定のものもあります。
平干しネットは平干し時に必須となるので、1つは持っておきましょう。
室内物干し竿
物干し竿があれば、室内での洗濯物をたくさん干せます。
商品によってはサイズを調整できるので、洗濯物の大きさや数に合わせた長さで使っていけます。
多少値段は張りますが、キャスター付きのものであれば持ち運びも楽ですよ。
折りたたみ式 ドアスペースハンガー
ドアの上部に取り付けるだけで、簡易的なハンガースペースを作ることができます。
室内物干し竿に比べてサイズは小さいですが、その分コンパクトです。
普段は部屋の片隅にでも置いておけば、スペースを圧迫する心配はないでしょう。
雨除けシート
その名の通り雨を除けるためのシートです。
ただ、雨除けシートには紫外線をカットする材質が使われているものもあります。
雨除けと併用で使ってみるといいでしょう。
日除けシート
雨除けシートと効果は似ていますが、こちらは紫外線対策に特化されています。
屋外と室内共に日陰がない場合は、日除けシートの方が役に立つかもしれません。
陰干しはどんな衣類に向いている?
「陰干しのメリット」でも少し解説しましたが、陰干しに向いているのは、主に天然繊維を始めとするデリケートな生地です。
デリケートな生地は、直射日光に当たると傷んでしまう恐れがあります。
そのため、陰干しとは相性がいいのです。
以下に該当する生地の衣類を干す際は、陰干しを検討してみてください。
- 麻
- 綿
- ウール
- シルク
- ナイロン
- 色柄物
その他、上記の生地に該当しなくても洗濯表示タグに指定があった場合は、タグに従って干すようにしましょう。
まとめ
陰干しは、天日干しとは異なるメリットがあります。
乾きにくさや臭いなどでデメリットもありますが、洗濯のやり方やアイテムの活用である程度は解消できます。
陰干しで効果を出すためにも、本記事でまとめた内容を活用してみてください。
天日干しについては別の記事にまとめてありますので、ご参考になさってください!