洗濯豆知識

洗濯の消しゴム「漂白剤」とは?3つの種類と特徴を解説します!

漂白剤といえば、洗濯用のアイテムとして誰しも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、洗濯用アイテムの中には洗剤や柔軟剤など、他にも色々あります。

どれがどれだか・・「そもそも漂白剤って何?」ですよね。

そこで本記事では、漂白剤の概要から種類まで分かりやすく解説してまいります。

漂白剤とは?洗濯洗剤や柔軟剤との違いは?

漂白剤とは、色を取り除いて白くするためのアイテムです。

酸化作用もしくは還元作用の働きによって色素を分解します。

例えば、黒ずみや黄ばみ、飲食時に付いたシミなどの汚れを落とすときに活躍します。

台所や洗面所などの掃除に用いられることも多いです!

洗濯洗剤や柔軟剤との違いは?

漂白剤と同じく、洗濯用アイテムには洗剤や柔軟があります。

これらの違いは何なのでしょうか?

まず洗濯洗剤は、基本的に汚れを落とすことにフォーカスしたアイテムです。

洗浄力の強い洗剤であれば漂白成分が含まれていることもありますが、あくまでも汚れを落とすことがメインになります。

続いて柔軟剤は、静電気やシワの予防、香りを出すために使われるアイテムです。

例えば、タオルをフワっとさせたいときや、衣類にフローラル系や柑橘系といった甘い香りを持たせたいときに使用します。

漂白剤も柔軟剤も基本的には、洗濯洗剤とのセットで使われます!

酸化型漂白剤と還元型漂白剤

洗濯洗剤には、酸化型漂白剤と還元型漂白剤の2種類あります。

酸化型漂白剤とは、汚れと酸素を結合させて色素を除去するタイプです。

塩素系漂白剤と酸素系漂白剤とで分けられます。

塩素系と酸素系の違いは、後ほど解説します!

続いて還元型漂白剤とは、汚れから酸素を奪う反応を利用して色素を除去するタイプです。

仕組みは異なりますが、いずれも同じ漂白効果があります。

ただ、これらの違いをもう少し詳しく知りたいですよね。

次の段落からは、酸化型漂白剤(塩素系漂白剤・酸素系漂白剤)と還元型漂白剤それぞれのタイプをピックアップしていきます。

塩素系漂白剤

塩素系漂白剤は、次亜塩素酸塩を主成分とした液体タイプの漂白剤です。

強力な洗浄力と殺菌作用に優れており、真っ白に仕上げてくれます。

タオルや白物の衣類に使われることが多いです。

それではメリット・デメリットを見てまいりましょう!

メリット

塩素系漂白剤のメリットは以下の通りです。

  • 汚れやカビの殺菌力が強い
  • 簡単・手軽にできる
  • 冷水でも効果が出やすい

塩素系は漂白剤の中でも一番の漂白力を誇ります。

そのため、普通の洗濯では落ちない黒ずみや衣類に染み付いたカビや菌をも落としてくれます。

さらに、塩素系は雑菌を分解する作用が働くため、洗濯した後でも洗濯槽にゴミが溜まりにくいです。

漂白剤を入れたら標準コースで洗うだけなので、手軽にできるという面でも優れています。

また、冷水でも効果を発揮してくれるので、わざわざぬるま湯を用意する必要もありません。

デメリット

塩素系漂白剤のデメリットは以下の通りです。

  • 扱い方を間違えると有毒なガスを発生させる
  • 独特な臭いがする
  • 使用中に触れると手荒れを起こすことがある
  • 色柄物やデリケートな衣類には使えない

塩素系は酸性のものと組み合わせると、人体に有害なガスを発生します。

酸性のものとは絶対に混ぜてはいけません!

加えて塩素独特の臭いも発生するので、使用後はしばらく臭いが残ることを覚悟しておきましょう。

また、洗浄力が強いので使用中に触れると、手荒れを引き起こす可能性があります

使用中にどうしても衣類を触りたい場合は、ビニール手袋を使用しましょう。

後は漂白力が強すぎるので、色柄物やデリケートな衣類には向いていません。

このように、塩素系漂白剤は取扱う上で少々難が多いのがデメリットでしょうか。

酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は酸素の力で汚れを落とし、過酸化ナトリウムや過酸化水素水を主成分とした漂白剤です。

塩素系漂白剤に比べて漂白力は劣りますが、色柄の衣類にも使うことができます。

また、液体タイプと粉末タイプの2種類存在し、粉末タイプのほうが漂白力に優れています。

逆に液体タイプは、粉末タイプに比べて漂白力は落ちますが、毛や絹といったデリケートな生地にも使用できます。※粉末タイプの場合、デリケートな生地は不可

そんな酸素系漂白剤ですが、メリット・デメリットを見てまいりましょう。

メリット

酸素系漂白剤のメリットは以下の通りです。

  • 嫌な臭いはない
  • 色柄物にも使える、塩素系よりも幅広く使える
  • 安全性が高い
  • 液体と粉末で使い分けられる

酸素系の主成分である過酸化ナトリウムや過酸化水素水は、塩素のような独特な臭いを発することはありません。

概要でもお話した通り、色柄物にも使えるため、塩素系より幅広く使用できるのが強みです。

また、塩素系のように酸性のものと混ぜても有毒なガスを発生することはないので、安全性の高さでも安心できます。

後は液体タイプと粉末タイプがあるので、状況によって使い分けられるのもポイントです。

デメリット

酸素系漂白剤のデメリットは以下の通りです。

  • 塩素系に比べて漂白力は弱い
  • 時間がかかる
  • 素手で触ると手荒れを起こすことがある

良くも悪くも塩素系に比べて漂白力は弱いので、あんまり強力なシミや黒ずみとかは落としきれないことがあります。

また、酸素系はじっくりと汚れを落としていくタイプなので、完了までに時間も掛かります。※汚れの度合いによっては早く完了することもある。

後は強いアルカリ性なので、塩素系と同様に素手で触れると肌荒れを起こす危険があります。

そのため、ビニール手袋を着用した上で使用しましょう。

還元型漂白剤

還元型漂白剤は、二酸化チオ尿素やハイドロサルファイトを主成分とした粉末タイプの漂白剤です。

塩素系や酸素系の漂白剤とは違った強みがあります。

メリット・デメリットをまとめましたので見てまいりましょう。

メリット

還元型漂白剤のメリットは以下の通りです。

  • 鉄分の汚れや黄ばみなどに強い
  • 嫌な臭いはない
  • 安全性が高い

還元型漂白剤の最大のメリットは、鉄分の汚れや黄ばみなどに強いということです。

漂白力の高い塩素系漂白剤でも、鉄分によるサビや強力な黄ばみは落ちないことがあります。

しかし、還元型漂白剤の性質を生かせば、酸化型漂白剤では落とせない汚れにも対応できます。

後は酸素系漂白剤と同様に、有毒なガスや嫌な臭いが発生することはないので安全性も高いです。

デメリット

還元型漂白剤のデメリットは以下の通りです。

  • 色柄物やデリケートな衣類には使えない
  • 除菌力・殺菌力が弱い

還元型漂白剤は色落ちしてしまうため、色柄物やデリケートな生地には向いていません。

除菌力や殺菌力も塩素系や酸素系に比べて劣るので、あくまでも表面上の汚れを落とすのに適した漂白剤と言えるでしょう。

まとめ

最後に漂白剤の細かい詳細を表でまとめておきます!

種類・形状 塩素系漂白剤(液体) 酸素系漂白剤(粉末) 酸素系漂白剤(液体) 還元型漂白剤(粉末)
特徴 ・漂白力は漂白剤の中で一番優れている
・デリケートな生地や色柄物には使えない
・酸性ものとは組み合わせてはいけない
・独特な臭いがする
・塩素系には劣るが漂白力は高い
・毛や絹、デリケートな生地とは相性が悪い
・粉末タイプに比べて漂白力は低め
・デリケートな生地にも使える
・鉄分の汚れや黄ばみに強い
・除菌力や殺菌力は弱い
・デリケートな生地や色柄物には使えない
主成分 次亜塩素酸塩 過酸化ナトリウム 過酸化水素水 二酸化チオ尿素、ハイドロサルファイト
液性 アルカリ性 弱アルカリ性 弱酸性 弱アルカリ性
除菌・殺菌力 ×
使えるもの 水洗いできる白物の衣類 ・水洗いできる白物の衣類
・水洗いできる色柄物の衣類
・水洗いできる白物の衣類
・水洗いできる色柄物の衣類
水洗いできる白物の衣類
使えないもの ・水洗いできないもの
・色柄物の衣類
・金属製のボタンやファスナー
・毛、絹、ナイロン、ポリウレタンなどデリケートな生地
・水洗いできないもの
・毛や絹などのデリケートな生地
・金属製のボタンやファスナー
・水洗いできないもの
・金属製のボタンやファスナー
・水洗いできないもの
・色柄物の衣類
・金属製のボタンやファスナー

このように、漂白剤ごとに性能は異なるので、どの種類が向いているかは洗うアイテムや汚れの状況に左右してきます。

それぞれの用途をしっかりと見極めた上で、その都度最適な漂白剤を使用しましょう。

漂白剤を使いこなすことで、また一歩洗濯上手に近づけますよ!